敬愛する個人投資家の方が毎週土曜日だけ日本経済新聞の紙面版を買い、その他の曜日は日経新聞アプリで見出しを俯瞰していると言っていた。これまで経済を真剣に学ばずに過ごしてきたので、まずは詳しい人の真似をすることにした。
2024年5月18日(土)に日本経済新聞を紙面版で買った。
今回は職場に近いコンビニエンスストアで購入した。朝7:00前に最寄りのコンビニで買えた。
紙面版を買って、全て読んで、勉強になったと感じた記事を切り抜き、熟読して要約して、雑感を記載する。結構な時間と労力を費やしているが、今まで知らなかったことをたくさん知ることができて楽しい。趣味として続けていきたい。

注目した記事は以下の14個だった。多かった。
「長引く『円弱』転機を読む」
-要約-
基本的に為替相場は、景気循環に合わせて上昇と下落を繰り返す。歴史的な円安局面から脱せない背景には、日本の経済構造自体が弱り、政府・日銀が人為的に円を下支えしないと歯止めをかけられなくなった現状がある。
具体的には日米間の金利差と需給差である。日本よりも米国の金利の方が高いので、円安に働いている。また「円買いを伴う輸出額」よりも「円売りを伴う輸入額」が多い貿易赤字が大きく、需給差も円安材料として働きやすい。直近3年間は年間5兆円を超える貿易赤字である。生産拠点の海外移転が止まらず、サービス分野でも米巨大IT(情報技術)企業が得た利益を本国に戻すことに伴う円売りが急増している。インバウンド(訪日外国人)による円買いでは補いきれていない。
2024年秋以降、日本では9月会合での追加利上げの可能性があり、米連邦準備理事会(FRB)も秋以降、利下げに動き出す可能性がある。日銀の利上げとFRBの利下げが同時期に重なれば、市場の金利差に対する見方も大きく変わり得る。8, 9月ににちべで発表される雇用、賃金、物価の指標に注目する。
新NISA開始後の1~4月で、投資信託による外国証券の買越額は4兆円を超えており、2023年の年間買越額に匹敵する。現状の歴史的な円安局面がひとたび円高方向に大きく振れれば為替差損が膨らみ、外国株式や外国債券から得た利益を吹き飛ばしかねない。
これまで日本の為替介入は、急激な円高から輸出産業を守るための円売り介入が定番だった。異例の円買い介入は日本経済にとって「円弱」の時代がいかに深刻であるかを物語っている。
-雑感-
円安が進んでいる背景を理解できた。投資信託による外国証券を一部現金化するならば、円安局面が変わる可能性のある9月前にした方がよさそうだ。
「欧州6月利下げは「適切」」
-要約-
欧州では低調な国内景気の下支えに向けて、既にスイス(EU非加盟)やスウェーデン(EU加盟国)が相次いで利下げに踏み切っている。欧州中央銀行(European Central Bank, ECG)のシュナーベル専務理事は、2024年6月の利下げは適切かもしれないと語った。一方、翌7月の利下げは妥当ではなく、先行きの不確実性が高いため、目標である2%の物価安定ができるか見極めるべきであるとも語った。年内6回の利下げを織り込んでいた金利先物市場も足元では年内3回を見込む。仮に0.25%ずつ年内3回利下げするならば、政策金利の中央銀行預金金利は2024年末に3.25%まで下がる計算だ。6月に続く追加利下げは、経済予測を修正するタイミングとなる9月になる可能性がある。
ロシアのウクライナ侵略を受け、欧州はエネルギーの脱ロシアを進め、中東からの天然ガス輸入を増やす。地政学リスクの高まりに注意する必要がある。
-雑感-
日本はアメリカの影響を受けやすいため、どうしてもアメリカの視点で書かれた記事が目につきやすい。ただヨーロッパの状況も興味深いものである。適宜、情報を仕入れたい。
「資本効率改革、聖域なし」
-要約-
自社株買いを中心に株主還元を手厚くする企業が目立つ。ソニーグループは、2025年5月までに最大2500億円の自社株買いを予定する。トヨタ自動車は1兆円を上限に自社株買いをする。ニコンは、物価高のなかで優秀な人材を確保するため2024年7月に2.7%のベースアップを実施する。川崎重工業は取引先への還元を進める。
-雑感-
現在は自社株買いの効果で株価が高止まりしている側面があるのだろう。逆に言えば、株主還元が一巡したところから株価が下落傾向になる可能性がある。各企業の株主還元方針を確認しておく必要がある。
「持ち合い株 7割が削減」
-要約-
2024年3月末までに東証プライム上場企業の7割に当たる約1100社が持ち合い株(政策保有株)の削減方針を示した。投資リターンの見込みにくい持ち合い株を売却し資本効率を高める。投資家からは企業統治の不全を招くとして批判が強い。取引先と株式を持ち合う日本独自の企業慣行が崩れつつある。純資産に対する政策保有株比率を10%や20%まで削減するという目標に据える企業も多い。
具体的にはNTT、伊藤忠、トヨタ自動車、アイシン、ジェイテクト、損保各社、住友不動産、大日本印刷、エイチ・ツー・オーリテイリング、三菱倉庫の名前が挙げられていた。
株式持ち合いは日本企業の資本効率が欧米企業に見劣りする要因の一つとされる。政策保有株が多い企業ほどPBR(株価純資産倍率)や自己資本利益率(ROE)が低い。PBR 1倍未満の企業は純資産に対して平均9%の政策保有株を有するが、PRB 1倍以上の企業は平均4%だった。
-雑感-
政策保有株の売却により個別企業としては一時的な売却益が計上される。一方で市場全体としては株価の下落要因になるのだろうか。
「DRAM市況 踊り場」
-要約-
揮発性半導体記憶装置(半導体メモリー)の一つであるDRAM(Dynamic Random Access Memory, 「ディーラム」)の市況が上昇の踊り場にさしかかっている。
大口取引価格はメモリーメーカー(売り手)とデバイスメーカーやモジュールメーカー(買い手)が月ごとや四半期ごとに決める。2024年4月の大口取引価格は、指標となるDDR4型8ギガビット品が1個1.95ドル前後だった(※DDRとはDouble Date Rateの略でクロック信号1周期あたり2回の伝送を行うことが可能という意味)。2ヵ月連続の横ばいだった。DRAMのうち、約50%がPCとデータセンターのサーバー機器、約35%がスマートフォン向けとされる。個人向けの需要回復に時間を要しているという見方がある。
ただ先高観は根強い。生成AIの駆動に欠かせない次世代半導体であるHBM(High Bandwidth Memory, 広域帯メモリー)の生産量が増えることにより、DRAMの生産量が減り価格上昇につながる。今後、DRAM価格押し上げが予想される。
-雑感-
半導体と一言でいっても様々な型が含まれており、(全体的に増強されていくとはいえ)現状の限りある生産設備をどの型に振り向けるかによって各半導体価格が変動することを知った。各半導体などの総体としてパソコン価格やスマートフォン価格が決まるのだろうから、DRAM価格が上がったからといって製品価格がすぐに上昇するわけではないのだろうか。
「地殻変動タイ政治 軍事クーデター10年(下)」
-要約-
タイは一定規模の経済に達した後、成長が伸び悩む「中所得国の罠」にはまったとされる。1950年代に国軍主導の開発独裁が始まって以降高成長してきたが、過去の成功事例に固執し規制緩和が進まなかった。直近10年の成長率は1~4%台前半と東南アジア諸国連合(Association of South-East Asian Nations, ASEAN)域内の最低水準で推移している。2029年をピークに人口が減少に転じる見込みでもある。2023年の国際協力銀行の調査では日系メーカーが有望な海外進出先に挙げた国・地域のうち、タイは6位だった。ベトナムの2位、インドネシアの5位に及ばなかった。インドネシアは域内初となる経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development, OECD)への加盟に向けて協議に入った。マレーシアも2030年までに高所得国へ仲間入りする公算が大きい。
外交面でも、伝統的に等距離外交を展開し、国軍も国内の安定に主眼を置いているため、存在感が薄れている。2021年、米国主催の民主主義サミットに招待されなかった。2022年、バンコクで開かれたアジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic Cooperation, APEC)に米国が参加しなかった。ミャンマー情勢では、ミャンマー国軍と少数民族武装勢力の戦闘が激化する中、タイのセター首相が所属する与党「タイ貢献党」の実質的指導者タクシン元首相が武装勢力代表者と会談し、ミャンマー国軍の反発を招いた。
タイ国軍が社会の変化に向き合わない限り域内での地盤沈下は免れない。
-雑感-
これまで東南アジア各国を十把一絡げに考えていたが、それぞれの特徴をちゃんと把握しておく必要があると感じた。
「インドネシア、軍依存に懸念」
-要約-
インドネシアのジョコ大統領には歴代大統領のような軍歴がなく、「初の平民宰相」として国民人気を誇る。ジョコ氏の就任後、軍や警察関係者が政府で果たす役割が拡大しており、この流れは2024年10月に時期大統領に就くプラボウォ国防相(かつての独裁者スハルト氏の戸外で、人権侵害疑惑もある)によって加速しかねない。2004年制定の法律により兵士の働く分野が制限されていたが、2024年3月施行の公務員法改正により現役の軍人と警官が政府や国営企業のあらゆる文民の職に就くことが可能になった。
インドネシアは軍民分離を維持する法的な取り組みを取り戻すことが必要である。軍による政治介入はタイやミャンマーで繰り返されてきた。いまやグローバルサウスの雄と目されるインドネシアが同じ轍を踏まないか。
-雑感-
インドネシアは域内初となる経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development, OECD)への加盟に向けて協議に入ったと別記事にあった。経済が好調だとしても民主主義国家でなければ欧米側との連携がうまくとれなくなるのではないか。
「中ロと米国、異次元の対立」
-要約-
2024年5月16日(木)にプーチン大統領が中国入りし、習近平(シー・ジンピン)中国国家主席と会談した。西側陣営と中露の対立が深まっている。習氏は殺傷兵器を出さない代わりに、軍民両用品の供与を増やし続けているという。中国にロシアへの軍事支援をやめさせなければウクライナが敗北しかねない。2024年4月以降、米政権は北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization, NATO)各国に水面下で対中圧力を更に強めるよう求めてきた。
米中対立の原因が海洋やハイテクといった個別問題ならば交渉で折り合うことも無理ではない。しかし衝突の原因が全く相容れない世界秩序観だとすれば、妥協点をみつけるのは至難の業だ。米中対立の深まりは、世界にも新たな対応を迫る。米同盟国はサプライチェーンの再構築や安保協力の強化に向け、より密に対中政策をすり合わせる必要がある。
-雑感-
殊に世界経済は中露を抜きにして回らなくなっている。中露陣営を抜けば、西側陣営の経済に多大な悪影響を及ぼすのだろう。
また完全に断交すると第3次世界大戦が勃発する可能性が高まる。どれほど関係が悪化しようとも、対話をし続けることが全世界の安全を一定程度保障するのであろう。
「ホテル、英米と価格差鮮明」
-要約-
海外の主要都市と比べた東京都内のホテルの割安感が強まってきた。インバウンドを主要なターゲットとしている都内のホテルは足元で値上げ圧力がかかっている。市場をリードするのが価格帯を引き上げた「ラグジュアリーホテル」と呼ばれる富裕層向けの高価格帯のホテルだ。ビジネスホテルも連れ高する。客室単価引き上げはホテルを運営する企業の業績を押し上げる。共立メンテナンスの2024年3月期の連結純利益は前の期比2.9倍の124億円となった。
-雑感-
個人的にはラグジュアリーホテルに泊まっても喜びを感じることはなく、ビジネスホテルのお得感を楽しみたい。
「国産砂糖保護へ13年ぶり『協力金』」
-要約-
砂糖を代替する甘味料の一種である異性化糖が、13年ぶりに「協力金」を支払う事態になっている。原料糖は国外(タイ, オーストラリア)6割、国内(沖縄サトウキビ, 北海道甜菜(テンサイ))4割である。当然、国外の原料糖の方が安価であるため、国内のサトウキビ生産者などを保護する必要があり、その交付金の財源として精製糖メーカーなどから協力金を徴収する「糖価調整制度」が運用されている。協力金は砂糖だけでなく、異性化糖(ガムシロップなど)や加糖調製品(ココアなど)にも及ぶ。砂糖との価格差に応じて、協力金の額が変わる。
協力金の収支は悪化が続いており、累積差損は563億円に達した。協力金の大半を支出してきた大手製糖会社から「国産糖を守るための財源は輸入原料糖だけでなく、全ての甘味料で担うべきだ」という意見があがっていた。そこで農林水産省が制度の運用見直しに着手し、協力金が発生しやすくなった。2024年4月から異性化糖は標準的な規格で1 kgあたり2円程度の協力金を支払うことになっている。
協力金の負担はあるものの、今のところ異性化糖の流通価格に変化はない。原料価格が下落したためである。現在の協力金の水準では1年間に16億円分の収入増加にとどまるため、制度の健全化に向けては国内生産の効率化や需要喚起という根源的対策が必要となる。
-雑感-
国産の砂糖を保護するために「糖価調整制度」なるものが存在することを全く知らなかった。国内の農業や畜産業の保護については、砂糖以外の品目においても長年様々な議論がなされてきた。0か10かではなく程度問題なのであろうが、万民が納得する至適な保護レベルが存在しないので、いつでもどこでも政治的な匂いが漂う。
「ウォルマート増収」
-要約-
足元の米消費が軟調さを示す指標やデータが増加している中、米小売最大手ウォルマートの2024年2~4月期決算は売上高が前年同期比6%増の1615億800万ドル(約25兆円)となった。割安さを求めて来店しはじめた高所得者層を取り込めたからだと分析されている。
中高所得者向けの市場に参入すれば、同市場を収益源としているコストコや(アマゾン・ドット・コム傘下の)ホールフーズ・マーケットなどにとって脅威となる。
-雑感-
米国のインフレ疲れが低所得層に大きな打撃を与え、更に高所得層が安価な物を求めはじめたという記事だった。どの国に住んでいても大変である。
「排出量取引 年内にも大枠」
-要約-
排出量取引は炭素に値段をつける「カーボン プライシング」の一つとなる。企業の排出量に上限を設け、その過不足分を企業間で売買できるようにする。
2005年に欧州連合(European Union, EU)で試験導入され、2008年に本格始動された。対象施設からの排出量を2016年にかけて2005年比で26%減らした。2010年度に東京都が導入した。2021年に中国で発電事業者が参加した制度がはじまった。2023年度に国レベルでは企業の自主参加のもとで試験的に導入した。2015年に導入した韓国では裁判に発展するケースがあった。2026年度から一定の排出規模がある大企業に排出量取引制度への参加を義務づける方針が確認された。2050年、温暖化ガスの実質排出ゼロ目標の達成を目指す。
日本の導入はEUに20年近く遅れており、脱炭素への実効性が問われる。
-雑感-
調べてみると、水素関連銘柄は幅広い。やはりお金の匂いがするところに人が集まる。
「東京メトロ 延伸決定」
-要約-
東京都臨海部で地下鉄の整備事業が動き出す。有楽町線の延伸が豊洲~住吉間で、総事業費2690億円を見込む。南北線の延伸が白金高輪~品川間で、総事業費1310億円を見込む。地下鉄2線の延伸で、臨海部のアクセスが向上すれば世界規模のイベント誘致がより進めやすくなる。築地市場跡地では、2032年度までに三井不動産を中心とする企業連合が多目的スタジアムやMICE(企業等の会議Meeting, 報償・研修旅行Incentive travel, 国際会議Convention, 展示会・見本市・イベント(Exhbition/Event)の頭文字を使った造語であり、これらビジネスイベントの総称)施設を整備する。東京都は2040年までに新線「臨海地下鉄」の開業を目指している。
-雑感-
東京は大変である。私は程よい田舎が好きだ。
「パリ留学 夢と苦闘の軌跡」
-要約-
2024年4月6日(土)~6月16日(日)に千葉市美術館で板倉鼎・須美子展が開催されている。二人ともに若くして亡くなられたが、画家として才溢れる御夫婦だったそうだ。
-雑感-
鼎氏の実妹(2022年に111歳で死去)から寄贈された作品が多く展示されているのだろうか。時間とタイミングが合えば観に行きたい。